堂々と風を切って生きたい

以前にヨーロッパで開かれていた、サリドマイド国際会議に何度も出席しました。世界中からサリドマイドが集まり、それはそれは壮大なイベントでした。ドレスアップして、Welcome partyで踊って歌い、パラグライダーに初めて乗って、ドライバーと格闘しながらゴルフもして、山盛りの貝を食べて、初めてづくしの目まぐるしい時間を過ごしました。でも、若かった私にできなかったことは、タンクトップを着るということです。障害がある部分も気にせず、みな手や足をポンと出して颯爽と過ごす姿が、風に向かうライオンのようでした。

人として憂いをまとわない姿、尊厳ある生き方をしているとは、こういうことなのかと思いました。私はすぐ真似をしたくてタンクトップを買い、街を堂々と闊歩しようと頑張ったのですが、タンクトップを着ていると落ち着かず着るのをやめてしまいました。ああ、なんてこと。

私は外出先では、食べたいものは食べません。食べられるものを食べます。雨が降っても傘はさしません。濡れて歩きます。髪型も好きな髪型ではなく、手間がかからないことが最優先です。

私の服の基準は、自分で着れる服ということなので、タンクトップは条件を満たしているにも関わらず、着てこなかった唯一の服です。

ああ、自由に生きるってどういうことだろう? 尊厳ある生き方ってなんだろうと今でも悩んでいます。人生が終わる前に決着をつけたいです(笑)。

人に尊厳を認めさせることより、自分を納得させることの方が難しい。自分を恥じることなく、いつでも堂々と風を切っていたいです。