経費のご報告

皆様からご寄付いただいたお金は、大切に使わせていただきます。心より感謝いたします。

渡航代金など4,077,650円を決済いたしました。内訳は申込金880,000円を含みますので、今回は申込金を差し引いた3,197,650円を決済いたしました。

ホテル代と朝食代9883.8EUR、昼食と夕食代(参加費など)2800EURについては、正式な請求書がきましたら決済いたします。

滞在費はおおよそ1,800,000+510,000円+手数料で、ほぼ2,350,000円を予定しています。

現地の交通費(タクシーチャーター代)、通訳/マネジメント代で1,000,000円を見込んでいます。

現時点での費用の合計で7,427,680円になります。

北海道に心配しているサリドマイドの仲間がいる

北海道に、今とても心配しているサリドマイド被害者の仲間がいます。
個人のことなので詳しく書くことはできませんが、障害がかなり重く、これまで日常生活の多くを家族に支えてもらいながら暮らしてきた方です。

昨年頃からは週に2回ほどヘルパーさんにも来ていただき、入浴介助など、家族だけでは負担の大きい部分については福祉サービスを利用するようになっていました。前回の訪問の時に、自立生活が困難になってきていることをいしずえに告げ、ヘルパーさんに繋げるようお願いしました。

ただ、それによって生活全体が支えられていたわけではありません。
日々の暮らしの中で、ちょっとしたことを手伝う、様子を見て、「何か困っていないか」と気にかける。
必要なときには誰かに連絡する。

そうした、福祉サービスの項目にはなかなか表れない部分を含めて、実際の生活を支えてきた中心は、やはり家族でした。

ところが今回、その中でも特に大きな役割を担っていたご家族が病気で入院されました。
それまで何とか成り立っていた生活が、突然大きく揺らぐことになったのです。

今回のことで、私自身も改めて考えさせられたことがあります。

「いしずえ」には、サリドマイド被害者のための相談員制度があります。相談を受け、必要に応じて福祉事務所などにつなぎ、すでにある社会福祉の制度やサービスを活用しながら、問題を解決したり、負担を軽くしたりするための仕組みです。

もちろん、こうした制度はとても大切です。

ただ、今回のようなケースでは、電話で話を聞くだけでは分からないことがたくさんあります。

本人が「大丈夫」と言っていても、実際に家に行ってみなければ分からないことがあります。

食事はきちんとできているのか。
身の回りのことは本当にできているのか。
困ったとき、自分から助けを求めることができるのか。
そして何より、本人だけではなく、その人の生活を支えてきた家族全体が、すでに支えきれない状態になっていないか。

今回、私が強く感じているのは、まさにそこです。

これまで家族が担ってきたものは、「入浴介助」や「家事援助」といった、福祉サービスの項目だけでは表せないものだったのだと思います。

「何か変だな」と気づくこと。
「困ってない?」と声をかけること。
必要なら誰かに連絡すること。
本人が言葉にできていない困りごとを見つけること。

家族は、そういうことを毎日の暮らしの中で自然にやってきました。その家族が突然支えられなくなったとき、その部分を誰が担うのでしょうか。

今回のことは、一人のサリドマイド被害者だけに起きた特殊な問題ではないと思います。

私たちサリドマイド被害者も高齢になってきました。同じように、これまで生活を支えてきた親やきょうだいも、同じように年を重ねています。

本人が年を取る。
家族も年を取る。
そして、ある日突然、支える側が病気になったり、支えられなくなったりします。

これから同じようなことは、ほかの人にも起きる可能性があります。

だからこそ、何かが起きてから電話で相談を受け、既存の制度につなぐという仕組みだけで十分なのか、考える必要があるのではないでしょうか。

必要なときには実際にその人の暮らしを見に行く。
本人だけを見るのではなく、その人を支えている家族を含めた「暮らし全体」を見る。
そして、今何が必要なのかを一緒に考える。
そういう仕組みも、これからは必要なのではないかと思います。

今回のことを通して、サリドマイド被害者が高齢期を迎える中で、私たちが考えなければならない新しい課題の一つが、はっきりと見えてきたように感じています。


増山 ゆかり

クラウドファンディングが成立しました

クラウドファンディングへのご協力、本当にありがとうございました。

おかげさまで非常に多くの方にご支援いただくことができました。改めて心よりお礼申し上げます。この2か月間、本当にたくさんの方に応援していただきました。 ご寄付をいただいたことはもちろんですが、情報を広めてくださった方、知人や友人に声をかけてくださった方、何度も励ましの言葉をくださった方、そして静かに見守ってくださった方々‥… 皆さんのお力があったからこそ、ここまで来ることができました。 本当に、感謝の気持ちでいっぱいです。

クラウドファンディングが終わることは、この活動の終わりではありません。 むしろ、ここからが本当のスタートだと思っています。 皆さんから託していただいたご支援を、オランダへの渡航だけで終わらせることなく、その先の医療環境の改善につなげていけるよう、しっかり取り組んでいきたいと思います。 これからも活動報告を通して、準備の様子や進捗状況、そしてオランダで何を見て、何を学んできたのかを、皆さんにお伝えしていきます。 どうぞこれからも、温かく見守っていただければ幸いです。

この2か月間、本当に、本当にありがとうございました。

薬害被害者を誰が診るのか?

8月22日の日本薬学教育学会大会でお話ししました。

日本薬学教育学会大会で30分のお時間をいただき、スピーチをさせていただきました。

会場が大阪医科薬科大学ということもあり、当初は学生さんが多く参加されるのかなと思い、これから薬剤師を目指す学生さんに向けた内容を準備していました。

薬学教育に携わっている先生方などが多く参加されていましたので、直前になって少し内容を変更しました。そのため、当初準備していたものとは少し体裁を変えたスピーチになりました。

今回、私が強く問題提起したかったのは、

「薬によって回復困難な健康被害が起きたとき、薬剤師をはじめとする医療者は、その患者にどこまで関わるのか」

ということです。

薬剤師の仕事は、患者が薬を飲むまでなのでしょうか。

薬を飲んだあと、副作用が出ているかどうかを確認するところまでなのでしょうか。

では、実際に重大な副作用や健康被害が起き、その影響がその後も残ってしまったら、医療はその患者にどう関わるのでしょうか。

サリドマイドがそうであるように、薬の影響によって身体に障害や回復困難な健康被害が残り、その後の人生をその影響とともに生きていかなければならない人たちがいます。

そして、これはサリドマイドだけの問題ではありません。

これまで日本で起きたさまざまな薬害では、多くの人が命を失い、また命は助かっても、薬による健康被害や障害、後遺症などを抱えながら、その後の長い人生を生きてきた人たちがいます。

薬害は、原因となった薬の使用を中止したときに終わるわけではありません。被害を受けた人にとっては、そこから先にも人生があります。

ところが、薬によって身体に大きな影響を受けた人の場合、その後に現れる健康問題が、既存の病気の枠組みでは十分に捉えられないことがあります。

誰が診るのか。

どの診療科が受け止めるのか。

医師や薬剤師をはじめとする医療者が、どのように連携して支えるのか。

そして国は、どのような診療体制を整えるのか。

私は、こうした「薬害のその後」を支える医療の仕組みが十分につくられていないこと自体が、現在の大きな問題であると指摘しました。

医療の現場では、薬を使う前には、安全性や有効性について検討し、患者の状態を確認し、リスクをできるだけ適切に管理するためのさまざまな対策が講じられています。薬剤師も、薬の専門家としてその重要な役割を担っています。

それならば、実際に薬によって回復困難な健康被害が生じた後についても、医療は正面から向き合うべきです。

薬を中止したら終わりではありません。

副作用を報告したら終わりでもありません。

被害を受けた患者の人生は、その後も続きます。

薬剤師はどこまで関わるのか。医師はどこまで関わるのか。医療全体としてどう支えるのか。そして、一つの医療機関だけでは対応できない問題について、国はどのような仕組みをつくるのか。

そこまで含めて、薬による健康被害に対する医療の責任として考え、実際の仕組みにつなげていく必要がある。

22日は、薬害の当事者として、そのことを薬学教育に携わる皆さんにお伝えしました。

薬害は、過去の事件ではありません。

被害を受けた人が生きている限り、その人の身体と人生の中では続いています。

だからこそ、「薬の安全性」や「患者に寄り添う医療」を語るのであれば、薬を使う前の安全対策だけではなく、薬によって人生を大きく変えられた人たちの「その後」を、医療がどう支えていくのか。

そこまでを医療の問題として、きちんと向き合ってほしい。

今回のスピーチでは、そのことを強くお話ししました。

オランダで開催される国際サリドマイド会議に参加するためクラウドファンディング開始

One Teamの増山です。お世話になります。いつも温かい応援をいただき、本当にありがとうございます。

現在私は、サリドマイド被害当事者としての経験を活かし、希少な病気や複雑な症状を抱える人が、誰もが等しく必要な医療を受けられる社会を目指して「OneTeam」を立ち上げ、活動を続けています。

サリドマイドの副作用で生まれた私たちは、加齢とともに体調を崩しやすくなっています。しかし、血管が細くもろいなど特殊な身体構造のため、現代医療の恩恵を十分に受けられていません。共に闘病した幼なじみが「生きていることが辛い」と呟くほど、治療が十分にできない理不尽に直面しています。 そしてこれは、私たちだけの問題ではありません。どの診療科にも収まらず「ここでは診られません」と言われ続ける多くの希少疾患の患者さんにも共通する、「医療アクセスの不平等」という大きな課題です。 この課題を解決する糸口を見つけるため、この秋にオランダで開催される国際サリドマイド会議に参加し、海外の先行事例を学び、日本の現状を発信したいという新たな目標を抱きました。

この国際サリドマイド会議への参加を実現するため、そして何より、単に資金を集めるだけでなく、治療や相談先につながれず苦しむ人がいることを社会に可視化し、共に声を上げる仲間を増やすために、クラウドファンディングという手段を選びました。

6月15日の募集開始に向けて、一人でも多くの方にこの現状を知っていただくため、今日まで覚悟を持って準備を進めてきました。 目標金額は3,500,000円、募集期間は6月15日から2026年8月13日までです。

皆様からいただいたご支援は、オランダへの航空券・宿泊費・現地移動費、介助者費用、外国語通訳費・手話通訳費、現地での分科会開催費用などに充てる予定です。 ぜひこの挑戦の背中を押していただきたく、直接ご連絡させていただきました。

クラウドファンディングは、「募集開始5日で目標金額の20%を集めることができるか」が、プロジェクトの成功率を大きく左右すると言われています。開始直後に勢いをつけることが、より多くの方にこの医療アクセスの課題を知ってもらうための大きな力になります。だからこそ、どうか開始直後のご支援をお願いできないでしょうか。 プロジェクトの詳細や私の想いは、こちらのページに綴っています。ぜひ一度読んでいただけると嬉しいです。

https://readyfor.jp/projects/thalidomide

個人では乗り越えられない困難も、仲間と手を取り合えば必ず超えていけると信じています。誰もが尊厳をもって生きられる環境を実現するための第一歩に、どうかお力を貸してください。 温かいご支援を、心よりお待ちしております。