クラウディア
はじめに、このように紹介いただいたことを感謝いたします。オンラインという形で、日本から日本の患者さんの方々、被害者の方ですね、被害者の現状などの話を聞き、(聞き取り不可)れました。本当にいろいろな、まだ要求していかなくちゃいけないこと、必要としていることがあるということがよくわかりました。そのような力が皆さんにありますように、またお互いに協力をして、そして(聞き取り不可)心から願っております。質問をお願いいたします。
増山
それでは先ほどの、2つの質問をさせていただきます。クラウディアさんにとって、何が、いろんな保証を見直したりすることでですね、自分の人生がどう変わったというふうに実感されているのかっていうのと、それによって、何を自分がそれを通じて達成できたと思いますか。どんな自分の人生だと、別のものになったのかっていうことを、教えていただきたいということと、それからさっきのウドさんの話の続きで、今、ドイツの皆さん、生活はかなり豊かになったんだと思うんですが、どんな悩みやどんな課題が残っているかっていうことについて教えていただければと思います。
クラウディア
まず、そういった補償でどういったことが変わったかということなんですけれども、多くのことが変わり、そして多くのことが改善されました。まず言えるのが、生活の質が非常に良くなったということ。そして、受け取るお金が健康な自分の、健康のためだけではなくて、生活環境とかそういうものを担保するために改善するために、または関係を改善するためにも役に立った。というのは今までお互いに助け合わなくてはならない。それだけ、そのおかげで他のアシスタントにお願いすることによって、相手の二つの軽減にもつながった。そういうこともありましたので、そういう二つの面があった。いわゆる生活の形として、そして質がよくなったということです。
ゆかりさんなどに92年に国際会議でお会いしたことがあるんですけれども、その時には私の状況というのは全く違っていたんですね。それから生活が変わり、家から出られるようになった。家の中はバリアフリーにさせることができた。あるいは自動車なども改造することができた。例えば、高齢になって年金生活になれば非常に難しいことでも、それを達成することができたということですね。それで、中には被害者の友人たちが、毎月、月のはじめに銀行の口座を見るのが楽しみだといったり、(聞き取り不可)そうやって質が良くなったということです。
質が良くなったということは、例えばオペラの鑑賞ですとか、補助の人がついて旅行ができるといった大きなことだけではなくて、身近なところでは例えばお医者さんのいるコミュニティセンターへ行くということも質の改善ということにつながっていることになりまして、今まで受け身的だったんですけれども、健康相談を自分の方からできるなど、いわゆる質の改善というよりは、いろいろな(聞き取り不可)。それでやはり自分で行えるということ、重要な時には、自分が意識して自信を持って行えるっていうことになるんですね。それが一番大きな違いということになると思います。日本と、それから、台湾の方からも話を聞きました(聞き取り不可)。
課題ということですが、イロンカとかクラウスとかウドも言っているように、やはり高齢になっていくということがあります。年を取るというのは突然に取るわけではなく、そのプロセスはゆっくりと確実に進むわけです。また私どもの場合は一部の体を酷使していますので、その部分の老化が他の人と比べて早いということもあります。
今まで決まったお金があることによって、いろいろ動けるようになったり、活動範囲も広がったということが、また補助、これからは人の助けをお願いしたりとか、補助の器具とか、そういうものをもっとさらに使わなくてはいけないということがあるかもしれない。けれども、やはり社会スタンスみたいなものは、やはり失ってはいけないということがありまして。そして、体の変化というのはあるんですけれども、(聞き取り不可)何かできるというのはですね(聞き取り不可)考えて、例えば、ボランティアなどもありますし、絵を描いたり歌を歌ったりとか、そういった新しいものに今までやってこなかったことに(聞き取り不可)
それからもう一つ言えることは、今後、実家の人が自立して住めなくなった場合に、どっかの施設に入るので、そういうような施設を開拓していかなければという課題です。
それからですね、ピアっていうことで、(「シェア」「分かち合い」のこと?)そういったお互いに何か困ったことがあった場合には、ピアという形で、同じ当事者同士でお互いに相談し合うという(聞き取り不可) では、プロの人がピアの相手をしてくれるケースもあるのですけど、お互いに助け合うというか(聞き取り不可)。
来年の10月に・・国際会議にお会いできるのを楽しみにしてお
ります。その時には、お互い今、話し合うことはできないですが、そういうことが行われる状況を願っております。また、先ほどお話の中で、耳のない方、かわぐち様ですね。その方がお願いごととして大きく口を開けて笑うっていうことを願っているという話がありました。それがたとえ表情ではできなくても、心で笑うということはできます。そういった交流ということですね。プロの形でのネットワークというのもありますし、そっちでのネットワークとか、リアルというのもあります。
増山
はい、ありがとうございました。私、ドイツに行ったときに、とても興味深いなと思って話を伺ったのが一つ、クラウディアさんのお話の中にあって、これは本当なのか冗談なのかわからないんですが、年金が増えて何が変わったって、結婚する人が増えたっていう話がありまして。で、まあそれまではね、やっぱり生活が成り立たないっていうこともあって、なかなかこう踏み切れなかったので、まあ、結婚に踏み切ることができたっていうお話がありました。そこにちょっと面白いのはですね、結婚してた人もいらっしゃったんだけれども、結婚してた人は本当に結婚したい相手と結婚することにしたっていうんですね、別れて、自分が一番好きな人と結婚したっていう、そういうエピソードがあって、非常にそれがリアリティがとってもあって面白いと思いました。
クラウディア
それはその通りでして、先ほどちょっと加えるのを忘れてしまったんですけれども、本当です。
増山
じゃあせっかく、日本のサリドマイドの人も、関心を持ってくださっている人も、今たくさんここにいらしていただいているので。もしよかったら、多分これ、私たちにとって一生に一度あるかないかのチャンスですので。結婚のチャンスはまたちょっと違うと思いますが、ぜひここは聞いてみたいとか、やっぱり国の制度も違うので、一概には比較できなかったり、なかなか聞いてすぐ理解というか、しっくりこないこともあるかもしれないんですけれども、ぜひこのチャンスを活かしていただいて、質問していただければと思ってます。マイクを回してください。
通訳
あと一つ言い忘れたんですけど、さきほどの翻訳の中でクラウディアさんがおっしゃっていたのは、お金がもちろん増えたことは、本当に嬉しいことでもあるし、私生活の改善にもつながったけれども、それだけじゃないんですよ、もっと心の中にですね、(聞き取り不可)そういったものも、いわゆる満足になって、初めて本当にいい生活だということを言い忘れましたので。
増山
(質問は)いかがでしょうか。
参加者
こんにちは。取材に参りました岩崎と申します。お話ありがとうございました。ドイツの今回の法律が変わって、皆さんの環境が改善されたというのは素晴らしいなと思うんですが、恥ずかしい話ですけれども、日本では、例えばこの薬害に限らず、有名なところでは、例えば原発事故の被害者の人とかも補償を得るんですけれども、補償の差によって分断があったり。あとは被害者同士でなくても、他にも困っている人たちがいるのに、なんでこの人たちばかりがたくさんこんなにいい目に遭わなきゃいけないんだみたいな世論が、恥ずかしながらすごく起こりやすい国じゃないかと思っています。ドイツでは、皆さんのこの補償がきちんと受けられたことで、そのようなバックラッシュといいますか、そういうものがあったかどうかというのをちょっと伺いたくて、本当になんか情けないなとは思うんですが、日本で同じようなことを達成できるかどうかっていうところに、この情けない風潮がとても影響すると感じているので、ドイツのことをお聞きしたいと思いました。
クラウディア
はい。ドイツにもそういう妬みとか、そういうのは存在します。私たちがお金をもらっている、補償されていることを羨ましがるけれども、私たちの障がいについて誰も詳しくありません。ですから、例えば、私、こんな経験をしたことがあります。二人の高齢の女性と一緒に座っていたんですね、そんなに歳は違わないんですけど。そしたら、高齢の人が私に「あなた元気?」って聞いたんです。「はい、元気ですよ」って答えたんですね。そしたらもう一人の高齢の方が「そりゃ元気よ、だって彼女、補償をもらってるんだから」っていうような、そういったことを言われたことがあるんです。
困ったなと思いました。要するに、私たちはみんなができることでできないことがいっぱいあるわけです。それがどれだけ大変なことかを理解できない人は恨みを持つようですね。本当に残念なことですけど、人間らしいと言えば人間らしいですね。わかります? 大丈夫かな。
今話すことは、ゆかりさんともドイツで話したことがあります。原爆の被災者について話しました。(聞き取り不可)
私たちに起きた事件については、きちっとした法律があったら、こういうことは起こらないと思いますが、(聞き取り不可)
やはり、妬みというのは人間らしい問題であるということです。それで、先ほどのジャーナリストがおっしゃっていたように、被害者同士間で、妬み合うということもあったりはします。ただし、完全な公正、完全な平等というのはありえないわけで、私ども被害者同士では、なるべくお互いに寛大でありたいなと思います。というのは、一緒に勝ち取った権利ですので、その中で(症状の)重さによって金額が違ったりすることはあるんですけれども、それは受け入れるべきことでありまして、私どもが実際に経験していることは、当事者でないと理解ができないわけです。先ほど、透析をされて非常に重大な状態にある市川さんの話がありましたけれども、(聞き取り不可)。
ウド
一つ、皆さん集まっていらっしゃる方に助言をさせていただきたいと思います。四名のみなさんも言っているんですけど、本当にみんないろいろな意見があるかと思います。私たちにもいろいろな意見がありましたけれども、いろんな団体を作ることができました。そして、その中で代表といいますか、会長みたいなものもあったんですけれども、そういった団体の組織を作るときに、まずおすすめするのが、自分たちの目標を具体化させるということです。自分たちのやりたいこと、目標というのを百個とかたくさんではなく、三つに絞るんです。そしてその三つの目標の中で順位をつける。三つ目のは達成できなくても仕方がない。真ん中のはできれば達成したい。一番上のはどうしても達成しなければならないというふうに、順位をつけるんです。
それから内部抗争についてはいくらでもあると思います。ただ一つ助言するのは、内部抗争について外には発信しないこと。一切出さない、政治家やメディアに漏らさない。もめていることは見せない方がいいです。
そして一つの意見として申し上げるのは、一番大切なのは自分たちの目標を掲げることです。それが大きな強みになっていきます。
増山
そうですね。ドイツに限らず、ヨーロッパにも何度かですね、(聞き取り不可)だったり、エルビーだったり、いろんなところに、サリドマイドの人に会い行って、一番日本のサリドマイドの人とすごい違うなと思うところは、一番最初に行った時にゴルフをサリドマイドの人たちがやってるんです。しかも、ちゃんとサリドマイド用のクラブを使っているんです。私はやらないからわかんないんですけど、私の場合だと、例えば雨が降ったら傘がさせないので、傘をささないで歩いてるんです。洋服も着たい服を買うんではなくて、着れる服を買ってるんです。ご飯を食べるときも、食べたいものではなくて、食べられるものを食べているんです。仕事も、自分がこんな仕事したいじゃなくて、自分のできる仕事は何かということで選ぶわけです。だけど、ドイツの人たちは、ドイツに限らないと思うんですけど、ドイツ人じゃなかったかもしれないんですけど、スキューバダイビングはやるわ、ゴルフはやるわ、もうみんなすごい自由なんです。そこが、ものすごく文化の違いとかではなくて、なんて言うんでしょうか。生きるってことが,どういうことなんだって、私たちはやっぱり障害を持って生きるっていうことと常に、切り離せないですけれども、すごくそれが印象的で、だから彼らはいろんなものを補償を見直して、創作って何かっていうと、すごく印象的だったのは、決して、例えばICTAを作るとき、国際コンテルガンサリドマイドアライアンスを作るときもそうですけど、皆さんはサリドマイド被害者で終わりたいのか、それとも尊厳ある人として生きていくってことを選ぶのか、どっちなんだって、ウドさんとかおっしゃってるんだと思うんですけれども、そんなふうにですね、非常に,結婚の話もそうでしたけど、生きるっていうことを大事にされているっていうのはとってもとっても、とっても(聞き取り不可)。
どうでしょう。皆さん、なんかお聞きしたいことないでしょうかな。ありますね。じゃあ、古川さんどうぞ。
参加者
公益財団法人「いしずえ」で理事をやっています、古川と申します。昨日お答えできなかったと思うんですけれども、日本には薬害というサリドマイド以外に、HIV、スモン、C型肝炎、薬害ヤコブ病、イレッサ、HPV、陣痛促進剤、筋肉短縮症とMMRの9個があって、サリドマイドで10個あるんですけれども、ドイツの薬害っていうものは、何かサリドマイド以外にあるのか、ないのか、もし知っておられる方があれば、お聞きしたいです。
クラウディア
ドイツ,にもたくさんの薬害があります。例えば、もちろんHIVとか、それから血液の(聞き取り不可)とか複数あるんですけど、それほど多くはならなかったというのは、そういった問題が発生した時にはもう法律があったので、安全性に問題があるとストップがかかるというかたちで、それほど大規模にはならなかったと。
参加者
私も調べたんですけど、日本の医薬品の副作用による深刻な被害事件っていうのは特殊で、非常に長い期間その問題がある薬が回収されなくて、過失割合がものすごくあるっていうことが、問題なんだっていうふうによく指摘されるわけですけれども、例えばドイツでももちろん、HIVもあるし、他の薬剤、血液製剤による薬害が、副作用被害もあるんですが、日本でいうこの、放置して、明らかにこの薬 問題あるっていうのを、このままにしてるっていうのは、それをそこまで(聞き取り不可)じゃないんです。だから同じ薬剤、同じHIVの被害があっても、そこまでね、日本のひどさみたいなのはね、例えばその承認を止めて、あえて加熱製剤ではなく、非加熱を使い続けたとか、やっぱりそこは、正直調べると、日本の場合、非常にこう、モラル的に問題があるっていうのを感じました。なので、もちろんドイツにもあるけど、実際にドイツでは必ず補償もしているし、過失割合がそこまで高くないんだなというようなイメージは持ちました。
増山
もうだいぶ時間が迫っているので、皆さんに最後一言ずつ、何かお話いただいて、終わりにしたいと思います。
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