NHKラジオに出演します

NHKラジオの取材を受けました。

平日の夕方毎日放送される「Nらじ」という番組です。

今回は私 中野寿子 個人のことではなく、増山さんの現在の活動紹介がメインで、そこに同じサリドマイドとして 中野 はどう関わっているのか、なぜ関わろうと思ったのか、今後どう関わっていきたいか、というようなことをインタビューされました。

番組キャスターの山本未果さんが、なんと東京から日帰りで弾丸取材にいらっしゃいました。ありがとうございました。

9月2日(火)に放送予定だそうです。

聞き逃し配信もあり、ラジコでも聞けます。

思いつくままに色々しゃべりましたが、的外れな発言や、増山さんの思いと違う解釈をしている箇所もあるかもしれません。

その場合はどうかご容赦ください。

お時間のある方はぜひ聞いてみてください。

NHKラジオ第一 2025年9月2日(火) 18:00から19:55 Nらじ内 Nらじのサイト

今なぜ私たちは声を上げるのか?

子どもの頃は命に関わるくらい体調が悪く、熱を出して寝込むことも多かったのですが、先天異常の体で生まれたのだから、運命と思い受け入れようと思いました。なぜそのようなことができたかと言うと、私の入院していた国立小児病院では、大勢の幼い患者さんたちが、日々辛い病気と戦っていました。人は命を選べないですし、自分を卑下すれば差別する人と一緒になる、どんな自分であっても大事にしたい、三本指の小さな手を否定したくないと、子どもながら思っていました。

できなかったことをひとつひとつ乗り越え、思っていた以上に愉快な人生を送ってきました。しかし、30歳を過ぎたあたりから、よく外出中に貧血のような症状で動けなくなりました。まわりのサリドマイドの仲間の、体調不良を訴える声が聞こえてくるようになりました。歳を重ねて無理ができなくなったのかと思っていましたが、乳がんを患い手術をし、腕の可動域は半分になりました。

「やはり普通の体ではないからか?」と思っていた矢先に、あちこちから悲鳴があがるのを、聞くようになりました。治療を断念するしかないのかも、と言う声が聞こえても、いやいや誰かに人生を代わってもらうことはできないと、ただただ歯を食いしばる以外の選択肢はないと思っていました。

この10年くらいでしょうか。仲間が病気で亡くなり始めました。309人いたサリドマイドは、もうすでに250人を切る勢いで減っています。助けをもとめなくてはいけない、いや、自分たちで動かなくては間に合わないと思い、気がつけばサリドマイドが一番多いドイツ行きの飛行機に乗っていました。何か手掛かりがあるかもしれないと。何も知らずに行った私は、驚くことばかりでした。姿も見えないくらい先を歩くドイツのサリドマイドから多くの学びがありました。とても印象的だったのは、クラウスさんの「自分の人生を取り戻したい」でした。私は自分の人生は尊厳のある人生だと思っていました。しかし、私は生きたいように生きていませんでした。この世界の片隅に、私が心の底から笑える場所などありませんでした。日本のサリドマイドの仲間と話していると、正直に言うと胸をえぐられるように感じています。

生まれてすぐ病院の前に置き去りにされた、

障害を理由に里親に出された

幼少期は家の外を出ることが許されなかった、

教育を受けられなかった、

病気になって十分に治療ができなかった、

施設で育ち、家族と一緒に暮らせなかった、

誕生日を祝ってもらったことがなかった、

食べたいものを食べると言う習慣がなかった、

傘がさせないので雨の日は雨に打たれて歩いていた、

幸せを望むなんて贅沢だと思った、

こんな自分が生きていて良いのか悩んだ、

なぜ、私たちはこんなことを受け入れるんだろう。こんな理不尽が許されるのだろうか? これまでの困難は、個人が乗り越える限界を超えていたのではないだろうか?

もちろん、なに不自由なく生きてきたと、胸を張って良い人生だったという人もいます。でも、そうじゃない人も多くいました。どう生きれば正解だったのでしょうか? 今は「なんのために生まれ、どう生きていくのか」が私のテーマです。生きていることを愛しく思いたいんです。

各地方紙に取り上げていただきました

この一週間の間に各地方紙にOne Teamのことを取り上げていただきました。各地方氏の皆さん、ありがとうございます。

沖縄タイムス 薬害60年 幸せのために サリドマイド被害者ら団体設立 体酷使、二次的健康障害も

熊本日日新聞 薬害60年、幸せのために サリドマイド、団体設立 体酷使、二次的健康障害も

沖縄タイムス 薬害60年、幸せのために サリドマイド、団体設立 体酷使、二次的健康障害も

山陽新聞 薬害60年、幸せのために サリドマイド、団体設立 体酷使、二次的健康障害も

西日本新聞 薬害60年、幸せのために サリドマイド、団体設立 体酷使、二次的健康障害も

佐賀新聞 薬害60年、幸せのために

中日新聞 サリドマイド 薬害60年幸せのために 被害者が任意団体設立 体酷使、二次的健康障害も

以下は中日新聞の2025年8月14日夕刊。

OneTeamが掲げる切実な課題

サリドマイド・サバイバーが以下の状況を得ることを目的とする。

○安心して治療が受かられる環境を作る。 
○体を酷使しないで暮らせる生活環境を確保する。  
○サリドマイド仲間の親睦を深める。  
○和解時にわからなかった障害/病気に対する補償の獲得  

国際サリドマイドシンポジウム開催決定

国際サリドマイドシンポジウムの開催が決定いたしました。

開催日:2025年10月18日15:00〜19:00

開催場所:日本橋プラザビル9F Vision Hall
      東京都中央区日本橋2-3-4

開催理由と開催内容:
ドイツではサリドマイドの当事者が自らの人生を語ることで、自分たちの人生のありようが理不尽だったと社会に訴えました。それによって国の政策決定や社会の価値観を動かすきっかけになりました。当事者が声を上げ続けたことで、人々は彼らの声に耳を傾けました。「生きていたい」「尊厳ある人生を送りたい」という想いに共感し、理不尽な出来事や苦しみを理解し制度改正の後押しをしました。

人類の経験したことがない体を持つ私たちは、痛みがあってもときには原因が特定できないせいで医療行為が受けられず、耐えるだけしかできませんでした。長い人類の歴史の中で蓄積してきた現代医療の、既存の知識や制度を活用したくてもできないことがあるのです。その恩恵を受けることができないのです。60歳を超えた私たちは考えます。どのように生き切れば良いのかと?

国際サリドマイドシンポジウムでは、ドイツでサリドマイドの人々が、どのようにサリドマイドに生まれたことに向き合い、さらに人として自らの意思で自らが歩む人生が、どういう人生であって欲しいのかに直面することで社会に変革をもたらしたことに学び、日本のサリドマイドサバイバーがどのように生きていくのかを考える機会といたします。

40カ国以上でサリドマイドは販売されました。10,000人以上の人々が巻き込まれた未曾有の薬害サリドマイドが、60年という長い年月を経て国の垣根を超えて結集しようとしています。先頭にいるドイツ社会であっても、理解を促すことはたやすくありません。どのように彼らが奮闘し、どのような人生を愛おしく思えるのか、同じ時代を生きているものとして知りたいと思いませんか? 知るべきだと思いませんか? いま私たちは、各々の人生の終末をどういうものであるべきか、どうあって欲しいかに向き合っています。

国際サリドマイドシンポジウムでは、国や製薬会社と対話することで補償の見直しを成し遂げたドイツのサリドマイドサバイバーを迎え、その経緯についてお話を伺います。また、あまり知られてはいませんが、台湾でも日本の製薬会社は同じ薬を販売し、38人の被害者を出し補償を行っています。今回は台湾からもサリドマイドサバイバーを迎え、今後の人生のあるべき姿を描きたいと思います。

国際サリドマイドシンポジウム開催で、医療関係者/教育者の提言や、マスコミの誠実な報道などが、社会全体に理解や共感を広めることができるのだと思います。遥か先をいくドイツの人たちの言葉に耳を傾け、自分たちが本来歩むべき道を捉えたいと思います。

予定されているシンポジスト:
Udo Herterichさん
Bundesverband Contergangeschädigter e. V.(ドイツ連邦サリドマイド被害者協会)の会長
Interessenverband Contergangeschädigter NRW e. V.(ノルトライン=ヴェストファーレン州被害者協会)の設立者/会長

Claudia Schmidt‑Herterichさん
Interessenverband Contergangeschädigter NRW e. V.(ノルトライン=ヴェストファーレン州被害者協会)の設立者/スポークスパーソン

Klaus Michelsさん
Bundesverband Contergangeschädigter e. V.(ドイツ連邦サリドマイド被害者協会)副会長

Ilonka Stebritzさん
Bundesverband Contergangeschädigter e. V.(ドイツ連邦サリドマイド被害者協会)スポークスパーソン

TJ Wangさん
台湾における38人のサリドマイド被害者の一人。生まれは台湾ですが、差別に遭い就職を機に渡米。アメリカ・ガバナーズ州立大学の元名誉教授。現在、台湾に帰国しサリドマイドの権利行使のために戦う中心人物。