国際サリドマイドシンポジウム開催決定

国際サリドマイドシンポジウムの開催が決定いたしました。

開催日:2025年10月18日15:00〜19:00

開催場所:日本橋プラザビル9F Vision Hall
      東京都中央区日本橋2-3-4

開催理由と開催内容:
ドイツではサリドマイドの当事者が自らの人生を語ることで、自分たちの人生のありようが理不尽だったと社会に訴えました。それによって国の政策決定や社会の価値観を動かすきっかけになりました。当事者が声を上げ続けたことで、人々は彼らの声に耳を傾けました。「生きていたい」「尊厳ある人生を送りたい」という想いに共感し、理不尽な出来事や苦しみを理解し制度改正の後押しをしました。

人類の経験したことがない体を持つ私たちは、痛みがあってもときには原因が特定できないせいで医療行為が受けられず、耐えるだけしかできませんでした。長い人類の歴史の中で蓄積してきた現代医療の、既存の知識や制度を活用したくてもできないことがあるのです。その恩恵を受けることができないのです。60歳を超えた私たちは考えます。どのように生き切れば良いのかと?

国際サリドマイドシンポジウムでは、ドイツでサリドマイドの人々が、どのようにサリドマイドに生まれたことに向き合い、さらに人として自らの意思で自らが歩む人生が、どういう人生であって欲しいのかに直面することで社会に変革をもたらしたことに学び、日本のサリドマイドサバイバーがどのように生きていくのかを考える機会といたします。

40カ国以上でサリドマイドは販売されました。10,000人以上の人々が巻き込まれた未曾有の薬害サリドマイドが、60年という長い年月を経て国の垣根を超えて結集しようとしています。先頭にいるドイツ社会であっても、理解を促すことはたやすくありません。どのように彼らが奮闘し、どのような人生を愛おしく思えるのか、同じ時代を生きているものとして知りたいと思いませんか? 知るべきだと思いませんか? いま私たちは、各々の人生の終末をどういうものであるべきか、どうあって欲しいかに向き合っています。

国際サリドマイドシンポジウムでは、国や製薬会社と対話することで補償の見直しを成し遂げたドイツのサリドマイドサバイバーを迎え、その経緯についてお話を伺います。また、あまり知られてはいませんが、台湾でも日本の製薬会社は同じ薬を販売し、38人の被害者を出し補償を行っています。今回は台湾からもサリドマイドサバイバーを迎え、今後の人生のあるべき姿を描きたいと思います。

国際サリドマイドシンポジウム開催で、医療関係者/教育者の提言や、マスコミの誠実な報道などが、社会全体に理解や共感を広めることができるのだと思います。遥か先をいくドイツの人たちの言葉に耳を傾け、自分たちが本来歩むべき道を捉えたいと思います。

予定されているシンポジスト:
Udo Herterichさん
Bundesverband Contergangeschädigter e. V.(ドイツ連邦サリドマイド被害者協会)の会長
Interessenverband Contergangeschädigter NRW e. V.(ノルトライン=ヴェストファーレン州被害者協会)の設立者/会長

Claudia Schmidt‑Herterichさん
Interessenverband Contergangeschädigter NRW e. V.(ノルトライン=ヴェストファーレン州被害者協会)の設立者/スポークスパーソン

Klaus Michelsさん
Bundesverband Contergangeschädigter e. V.(ドイツ連邦サリドマイド被害者協会)副会長

Ilonka Stebritzさん
Bundesverband Contergangeschädigter e. V.(ドイツ連邦サリドマイド被害者協会)スポークスパーソン

TJ Wangさん
台湾における38人のサリドマイド被害者の一人。生まれは台湾ですが、差別に遭い就職を機に渡米。アメリカ・ガバナーズ州立大学の元名誉教授。現在、台湾に帰国しサリドマイドの権利行使のために戦う中心人物。

国際サリドマイドシンポジウムが楽しみ

皆さん、こんにちは。

6/22に初めて行われたサリドマイドシンポジウムは、時間はちょっと足りなかったようでしたが、多くの参加者が来場し、展示や販売も見入っていただけて、主催者の増山ゆかりさんも喜んだお顔で、NHK取材も快く受けておられました。

私のスピーチも聴いていただけたし、己書作品も思ったより多くの人に買っていただき大変嬉しく思いました。

また、大学の先生たちとも出逢え、講演を依頼したいと申し入れもあり、収穫や甲斐があった一日でした。あれから早くも一ヶ月が経ちました。

私の二次障害が特に心配なのは、スピーチで話しましたように口呼吸しかできないため、車の排気やタバコの煙や見えないホコリを吸い込んでしまい、加齢によって免疫力が落ち、肺の病気になることです。

サリドマイドには、聴覚障害者も30%いることはほとんど知られていません。その聴覚障害者の中で積極的に表に出るのは私しか居ないことに気付き、勇気をもって世間にもっともっと理解を広めていき、偏見と差別のない社会をつくりたいと思っています。

亡くなられたミステリー小説家の西村京太郎氏もサリドマイドのことを書き、賞をもらったあとサリドマイドの映画を作ろうとしていたようでしたが、サリドマイド当事者の強い反対で立ち消えになりました。
確かに、サリドマイドのみなさんは、今でも大変辛い思いがありますが、日本だけでなく、世界中にサリドマイドの皆さんがいることを多くの人に伝えたいです。

私は、まだ外国のサリドマイドのかたと会ったことがないので、国際サリドマイドシンポジウムに参加するのが楽しみです。

日本己書道場公認 道場師範 河口智彦

国際サリドマイドシンポジウムに向けて

サリドマイド障害を抱えた当事者と、何も抱えていない一般の人では、完全に同じ視点でその問題点を見つめるのはなかなか難しいかもしれません。
さらに、同じサリドマイド当事者であっても、障害の程度が軽いとか重いとか、体のどの部位に障害を負ったかとか、経済環境や家庭環境などによっても問題意識は異なります。

私は両腕と両足に著しい欠損を負いました。
残念なことに、日本で認定されたサリドマイドの中で、私と同等の足の障害を持つ人はいませんでした。
外に出るには車イスが不可欠ですが、サリドマイドの集まりに参加しようと思っても会場がまったく車イスでは近寄れない設定になっていることがたびたびあって、そのたびに「ああ、私は部外者扱いなんだ」と思い知らされました。
たった一人しかいない車イス利用者のために会場を配慮できないということだったのでしょう。
それがずっと続いてきたので、私はサリドマイドの親睦会だのフォーラムだのという案内状を受け取るたびに、不満や不信感が静かに蓄積していくのを感じていました。
今回、増山ゆかりさんからこの活動にお誘いをいただくまでは、私はもう今後サリドマイドの人たちに関わることは一切ないだろうと思っていました。
実際、親しい人もいないし、先述のとおり、集まりに参加する機会も奪われてきたし、今さら参加したとしても話が合わないだろう。
そう思ってきたし、今もこの思いを覆すには至っていません。

でもこれは仕方のないことです。
他人が何に困っているのかなんて私たちは簡単には想像できませんから。

それではドイツではどうなのでしょうか。
日本の約10倍ほどの被害者がいるドイツでは、当事者間の格差はさらに複雑に複合しているのではないかと思います。
けれど彼らは団結して、薬禍の発生から60年が過ぎた今、あらためてサリドマイドの二次障害を訴えて世論を動かすことに成功しました。
どうやって団結できたのでしょうか。
意思疎通をはかり、呼びかけあい、互いの環境のギャップにどう折り合いをつけていったのか。

2025年10月、そのドイツの当事者の方たちと国際シンポジウムという形で情報交換できる機会が与えられました。
シンポジウムの会場は東京です。
私は、上記した当事者間の格差について、どう向き合っていかれたのかをぜひ聞いてみたいと思っています。
とはいえ、若い頃と違って、車イスで長距離の旅に出るのはホテルや交通機関の手配だけでかなりのストレスです。
いろいろと不安が尽きません。
唯一の救いは、増山さんがかなりバリアフリーを意識して会場探しをしてくださってることです。
このことがどれだけ私の背中を押してくれてるかわかりません。
10月。一度は放棄しようと思ったサリドマイド当事者たちとの関りがどうなっていくのか、また、私自身の気持ちがどう変わっていくのか、いろんな発見を期待して上京しようと思っています。

中野寿子 http://marobine.holy.jp

国際サリドマイドシンポジウムは10月中旬に東京都内で開催の予定。