エグモンド・サークルの内容

エグモンド・サークルを主催するUDO さんから、参加者にメッセージが届きました。内容を理解していただくために、こちらに翻訳を転載いたします。

皆さん、こんにちは。
「エグモント・サークル」の開催が近づき、私たちのプログラムも次第に具体的な形になってきました。このメールでは、2026年10月26日から11月2日まで、エグモント・アーン・ゼーで皆さんをお待ちしているプログラムの内容を、一足先に少しご紹介したいと思います。
今回の会議では、現在、私たちの多くが直面している問題を取り上げます。
サリドマイドによる障害を抱えながら、どのようにすればよりよく年齢を重ねていくことができるのでしょうか。痛みや、年齢とともに増していく身体的な負担に対して、何が役立つのでしょうか。長期的な健康への影響について、どのような医学的知見が得られているのでしょうか。そして、日常生活をより容易にするためには、どのような実践的な解決策があるのでしょうか。


医学的な専門知識と長年の経験
専門家の皆さんが、長期的な健康への影響や医療提供体制に関する最新の知見を紹介します。
ライン=ジーク・クリニックの元主任医師であり、ケルン大学病院に設置されたコンテルガン財団の学際的医療専門センター(MMK)の元責任者であるクラウス・M・ペータース医師は、同センターのこれまでの発展について報告します。
ケルン大学病院の心身医学・心理療法科の副部長であるアレクサンダー・ニエッケ医師は、コンテルガン/サリドマイドによる障害のある人々を対象とした研究結果と、心理療法外来で得られた知見を紹介します。
ハノーファーのDIAKOVEREアンナシュティフトにある学際的医療専門センター(MMK)の責任者、シュテファン・マルティン教授は、8名のチームとともに、痛みと転倒予防をテーマに講演します。
さらに、病院での医療提供や、治療・リハビリテーションを行ううえで、どのような条件を整える必要があるのかについても説明します。
老年学の専門家であるクリスティーナ・ディング=グライナー医師は、長年にわたり、コンテルガンによる影響とその長期的な健康への影響について研究してきました。今回の「エグモント・サークル」では、その研究活動について紹介します。
ハンブルクのシェーン・クリニック・アイルベックの上級医師、ルドルフ・バイヤー医師による講演では、高齢期における予防がテーマとなります。
講演の題目は「運動、心血管系、そして高齢期における予防」です。
続いて、コンテルガン財団の理事長ディーター・ハックラー氏と、理事のハインツ=ギュンター・ディッケル氏が、同財団の最近の動向について報告します。
コンテルガン財団は、各医療専門センターやグリューネンタール財団と同様に、情報提供ブースも出展する予定です。
意見を交わし、実際に試し、経験を共有する
「エグモント・サークル」では、医学的な専門知識だけを扱うわけではありません。
皆さん自身の経験も、それと同じくらい重要です。
なぜなら、皆さんは何十年にもわたる日常生活の経験を通して、何が実際に役立つのか、どこに支援が不足しているのか、そしてどのような解決策が必要なのかを、多くの場合、誰よりもよく知っているからです。
ワークショップでは、それぞれのテーマについて理解を深め、互いに話し合うことができます。
取り上げるテーマには、介助と介護、栄養、痛みへの対処、住まい、移動などがあります。
また、絵画のワークショップなど、創作活動を楽しめるプログラムも用意されています。


福祉用具を知り、実際に試す
福祉用具の展示会では、さまざまな製品を知り、手に取って確かめ、一部については実際に試すこともできます。
日常生活を補助する用具や着替えを助ける用具から、浴室・台所用の補助器具、移動支援機器、スマートホーム関連の製品まで、幅広いものが紹介されます。
新たに展示される製品には、折りたたみ式電動車椅子、座面を電動で昇降できるオフィスチェア、電動式のデンタルフロスホルダーなどがあります。
また、エグモント滞在中に個々の必要に応じて利用できるよう、浴室用の福祉用具を事前に予約し、現地で使用することもできます。
写真、動画、詳しい情報については、以下をご覧ください。
https://www.contergan-nrw.eu/?p=14309
さらに、皆さんが普段から使用していて、ほかの人にも勧めたいと思う福祉用具があれば、ぜひ持参して紹介してください。


移動の自由を維持する:自動車展示と運転技術
「エグモント・サークル」では、個人の移動手段も重要なテーマです。
今回、これまでにない規模で、自動車改造を手がけるParamobil、Paravan、Sodermannsの3社が、それぞれ2台ずつの改造車両と、さまざまな運転・操舵システムを展示します。
また、ハインリヒ・コップ社の人気製品である、足でハンドルを操作する「フランツ」というシステムも展示されます。
さらに、参加者自身も、個々の障害に合わせて改造した自動車を持参します。
乗り降りや車両操作を補助する装置、電動で調整できるドアミラーや運転席なども紹介される予定です。
対話形式の講演が行われた後には、来場者が一部のシステムを実際に試すこともできます。


忘却に抗する写真、言葉、そして芸術
今回の特別な見どころの一つが、エグモントで初めて公開される巡回展「忘却に抗する写真と言葉」です。
この展示の肖像写真とインタビューの抜粋は、ノルトライン=ヴェストファーレン州コンテルガン被害者利益団体による書籍制作プロジェクトの一環として制作されました。
その中で、被害当事者たちは、幸せだった瞬間、困難な時期、そして将来への希望について語っています。
エグモントでは、10点の肖像写真と、それに付随する音声記録を見たり聞いたりすることができます。
さらに、「エグモント・サークル」の参加者による芸術作品を紹介する展示も行われます。


思い出し、静かに追悼するための場所
静かに過ごすための部屋が設けられます。
そこでは、亡くなったコンテルガン/サリドマイド被害者を追悼し、ひととき立ち止まって思いを寄せることができます。
この場所は、国際的な共同体としての私たちの結びつきを象徴するものです。
誰一人として、忘れ去られることがあってはなりません。
そして、もちろん、人と人との出会いも大切です
数多くの講演、ワークショップ、展示が予定されていますが、決しておろそかにしてはならないことがあります。
それは、お互いのために時間を使うことです。
懐かしい人たちとの再会、新しい人たちとの出会い、意見や経験の交換、一緒に笑うこと、散歩をすること、そして夜のひとときをともに過ごすこと。
こうしたことすべてが、私たちにとって「エグモント・サークル」の大切な一部なのです。
なぜなら、ここは単に知識を伝えるためだけの場所ではないからです。
ここでは新たなつながりが生まれ、一人ひとりのさまざまな経験から、共通の国際的なネットワークが育っていく可能性があります。
プログラムは、ウェブサイトで随時追加・更新されます。
ぜひ、ときどきウェブサイトを訪れて、新しい情報をご確認ください。
https://www.egmond-circle.eu
知識を深め、経験を交換し、多くの人々と出会う、刺激に満ちた一週間を皆さんと過ごせることを、心から楽しみにしています。
心を込めて、ご挨拶申し上げます。


ウド・ヘルテリヒ
ノルトライン=ヴェストファーレン州
コンテルガン被害者利益団体(登録社団)
理事会を代表して

エグモンド・サークル

オランダで開催される国際サリドマイド会議を主催者たちは「エグモンド・サークル(Egmond Circle)」と呼んでいます。私たちはエグモンド会議と呼んできました。
そのホームページはこちらです。興味のある方はご覧ください。

https://egmond-circle.eu

サイトの右上に言語を選択できるボタンがあります。英語、ドイツ語、スペイン語が選べます。日本語にするには翻訳サイトやアプリケーションで翻訳してください。

最初に書かれている文章の日本語訳は以下のとおりです。

サリドマイドの影響を受けている方々とそのご家族を対象とした国際会議・交流の場、「エグモンド・サークル(Egmond Circle)」へようこそ。2026年10月26日から11月2日にかけて、健康、加齢、支援機器、パーソナル・アシスタンス(生活支援)、アクセシブルな住環境など、多岐にわたるテーマで講演やワークショップが開催されます。
さらに、芸術や文化に触れる多彩なプログラムに加え、参加者同士が語り合い、交流を深めるための時間も十分に用意されています。オランダの北海沿岸で、皆様と共に過ごせることを楽しみにしております!

ご質問がございましたら、こちらのお問い合わせ先をご確認ください。

現在、本ページは準備中であり、随時情報を更新しています。

新たな二つの課題

8月に北海道を訪れ、昌也くんをはじめ、サリドマイドの仲間たちと会ってきました。

今どのような生活をしているのか、体の具合はどうなのか。いろいろな話をしながら、一緒にお風呂に入ったり、のんびり過ごしたりする時間も持つことができました。

ただ、そのときに会った友人の一人の体調が、どうしても気になっていました。

そこで、もともとの予定にはなかったのですが、「もう一度、様子を確かめに行こう」と思い、9月に入って再び北海道へ行き、つい数日前に戻ってきました。

実は、私が訪ねる前に、その友人は体調を崩して倒れ、ご家族によって病院へ運ばれていました。

私は今回初めて、その友人が以前から心臓に問題を抱えていたことを知りました。8月に会ったときには、体調が悪そうなことと心臓の問題が結びついているとは、まったく考えていませんでした。受診に繋げられず非常に悔やんでいます。

(病状は個人情報に係る内容ですが、サリドマイドの人に注意換気をしたいと思いますので、病状について触れさせていただきました。)

サリドマイド被害者が年齢を重ねる中で、どのような健康上の問題が起きているのかについては、まだ十分に分かっていないことが多くあります。

私自身も心臓にあながあいていて(中核欠損)、幼少期は大人になるのは難しいと言われていました。サリドマイドの仲間との交流の中では、心臓について何らかの問題を指摘されたという話を聞くことがあります。不整脈がある、心臓に雑音があるなど、その内容はさまざまです。

もちろん、こうした問題がサリドマイドと関係しているのか、また、どのくらいの人に起きているのかについて、今ここでお示しできる十分なデータがあるわけではありません。

データが少ない希少疾病の患者さんたちにとって、異常が起きた時の情報の蓄積がない、というよくあるあるの問題です。

そして今回、もう一つ大きな課題だと感じたことがあります。

それは、私たち自身が、自分の身体や健康状態について医療者にきちんと伝えることの難しさです。

例えば病院で「私たちの身体は一般的な人とは少し違います」と伝えても、それでは具体的に何がどう違うのか、どんなことに注意してほしいのかを、その場ですぐに説明できる自信はありません。

まして具合が悪いときに、自分の状態を整理して説明し、必要な助けを求めることは簡単ではありません。

急に背中が痛くなった、足がしびれて歩けなくなった、歯科治療の際に麻酔が利きにくいなど、普通の人たちとは違う症状があります。そんな症状が起きたとき、それがこれまでの身体の状態とどう関係しているのか、何を心配しているのかを本人自身もうまく説明できないことがあります。

今回の経験から、二つの仕組みが必要なのではないかと感じました。

一つは、本人と医療機関との間に入り、本人の状況を整理したり、必要に応じて医療機関への説明を手伝ったり、適切な医療につなげたりすることのできる「人」の存在です。

もう一つは、自分の身体の特徴やこれまでの健康上の問題、医療者に知っておいてほしいことなどを、必要なときにきちんと伝えられるようにしておく「情報」の仕組みです。

具合が悪くなってから、すべてを本人が一から説明しなければならないのではなく、必要な情報をあらかじめ整理しておき、それを医療者に伝えられる方法があれば、本人にとっても医療者にとっても大きな助けになるのではないかと思います。

サリドマイド被害者の健康問題については、何が起きているのかを調べることはもちろん重要です。しかし、それと同時に、実際に一人ひとりが病気になったときに、必要な医療へどうつなげていくのかということも、これから考えていかなければならない課題だと思います。

10月には、オランダ・エグモントでサリドマイドの国際会議が開かれます。

世界各国の仲間たちが、こうした問題にどのように取り組んでいるのかも聞いてみたいと思っています。そして日本に持ち帰り、私たちにどのような仕組みが必要なのかを具体的に考えていきたいと思います。

経費のご報告

皆様からご寄付いただいたお金は、大切に使わせていただきます。心より感謝いたします。

渡航代金など4,077,650円を決済いたしました。内訳は申込金880,000円を含みますので、今回は申込金を差し引いた3,197,650円を決済いたしました。

ホテル代と朝食代9883.8EUR、昼食と夕食代(参加費など)2800EURについては、正式な請求書がきましたら決済いたします。

滞在費はおおよそ1,800,000+510,000円+手数料で、ほぼ2,350,000円を予定しています。

現地の交通費(タクシーチャーター代)、通訳/マネジメント代で1,000,000円を見込んでいます。

現時点での費用の合計で7,427,680円になります。

北海道に心配しているサリドマイドの仲間がいる

北海道に、今とても心配しているサリドマイド被害者の仲間がいます。
個人のことなので詳しく書くことはできませんが、障害がかなり重く、これまで日常生活の多くを家族に支えてもらいながら暮らしてきた方です。

昨年頃からは週に2回ほどヘルパーさんにも来ていただき、入浴介助など、家族だけでは負担の大きい部分については福祉サービスを利用するようになっていました。前回の訪問の時に、自立生活が困難になってきていることをいしずえに告げ、ヘルパーさんに繋げるようお願いしました。

ただ、それによって生活全体が支えられていたわけではありません。
日々の暮らしの中で、ちょっとしたことを手伝う、様子を見て、「何か困っていないか」と気にかける。
必要なときには誰かに連絡する。

そうした、福祉サービスの項目にはなかなか表れない部分を含めて、実際の生活を支えてきた中心は、やはり家族でした。

ところが今回、その中でも特に大きな役割を担っていたご家族が病気で入院されました。
それまで何とか成り立っていた生活が、突然大きく揺らぐことになったのです。

今回のことで、私自身も改めて考えさせられたことがあります。

「いしずえ」には、サリドマイド被害者のための相談員制度があります。相談を受け、必要に応じて福祉事務所などにつなぎ、すでにある社会福祉の制度やサービスを活用しながら、問題を解決したり、負担を軽くしたりするための仕組みです。

もちろん、こうした制度はとても大切です。

ただ、今回のようなケースでは、電話で話を聞くだけでは分からないことがたくさんあります。

本人が「大丈夫」と言っていても、実際に家に行ってみなければ分からないことがあります。

食事はきちんとできているのか。
身の回りのことは本当にできているのか。
困ったとき、自分から助けを求めることができるのか。
そして何より、本人だけではなく、その人の生活を支えてきた家族全体が、すでに支えきれない状態になっていないか。

今回、私が強く感じているのは、まさにそこです。

これまで家族が担ってきたものは、「入浴介助」や「家事援助」といった、福祉サービスの項目だけでは表せないものだったのだと思います。

「何か変だな」と気づくこと。
「困ってない?」と声をかけること。
必要なら誰かに連絡すること。
本人が言葉にできていない困りごとを見つけること。

家族は、そういうことを毎日の暮らしの中で自然にやってきました。その家族が突然支えられなくなったとき、その部分を誰が担うのでしょうか。

今回のことは、一人のサリドマイド被害者だけに起きた特殊な問題ではないと思います。

私たちサリドマイド被害者も高齢になってきました。同じように、これまで生活を支えてきた親やきょうだいも、同じように年を重ねています。

本人が年を取る。
家族も年を取る。
そして、ある日突然、支える側が病気になったり、支えられなくなったりします。

これから同じようなことは、ほかの人にも起きる可能性があります。

だからこそ、何かが起きてから電話で相談を受け、既存の制度につなぐという仕組みだけで十分なのか、考える必要があるのではないでしょうか。

必要なときには実際にその人の暮らしを見に行く。
本人だけを見るのではなく、その人を支えている家族を含めた「暮らし全体」を見る。
そして、今何が必要なのかを一緒に考える。
そういう仕組みも、これからは必要なのではないかと思います。

今回のことを通して、サリドマイド被害者が高齢期を迎える中で、私たちが考えなければならない新しい課題の一つが、はっきりと見えてきたように感じています。


増山 ゆかり

クラウドファンディングが成立しました

クラウドファンディングへのご協力、本当にありがとうございました。

おかげさまで非常に多くの方にご支援いただくことができました。改めて心よりお礼申し上げます。この2か月間、本当にたくさんの方に応援していただきました。 ご寄付をいただいたことはもちろんですが、情報を広めてくださった方、知人や友人に声をかけてくださった方、何度も励ましの言葉をくださった方、そして静かに見守ってくださった方々‥… 皆さんのお力があったからこそ、ここまで来ることができました。 本当に、感謝の気持ちでいっぱいです。

クラウドファンディングが終わることは、この活動の終わりではありません。 むしろ、ここからが本当のスタートだと思っています。 皆さんから託していただいたご支援を、オランダへの渡航だけで終わらせることなく、その先の医療環境の改善につなげていけるよう、しっかり取り組んでいきたいと思います。 これからも活動報告を通して、準備の様子や進捗状況、そしてオランダで何を見て、何を学んできたのかを、皆さんにお伝えしていきます。 どうぞこれからも、温かく見守っていただければ幸いです。

この2か月間、本当に、本当にありがとうございました。

薬害被害者を誰が診るのか?

8月22日の日本薬学教育学会大会でお話ししました。

日本薬学教育学会大会で30分のお時間をいただき、スピーチをさせていただきました。

会場が大阪医科薬科大学ということもあり、当初は学生さんが多く参加されるのかなと思い、これから薬剤師を目指す学生さんに向けた内容を準備していました。

薬学教育に携わっている先生方などが多く参加されていましたので、直前になって少し内容を変更しました。そのため、当初準備していたものとは少し体裁を変えたスピーチになりました。

今回、私が強く問題提起したかったのは、

「薬によって回復困難な健康被害が起きたとき、薬剤師をはじめとする医療者は、その患者にどこまで関わるのか」

ということです。

薬剤師の仕事は、患者が薬を飲むまでなのでしょうか。

薬を飲んだあと、副作用が出ているかどうかを確認するところまでなのでしょうか。

では、実際に重大な副作用や健康被害が起き、その影響がその後も残ってしまったら、医療はその患者にどう関わるのでしょうか。

サリドマイドがそうであるように、薬の影響によって身体に障害や回復困難な健康被害が残り、その後の人生をその影響とともに生きていかなければならない人たちがいます。

そして、これはサリドマイドだけの問題ではありません。

これまで日本で起きたさまざまな薬害では、多くの人が命を失い、また命は助かっても、薬による健康被害や障害、後遺症などを抱えながら、その後の長い人生を生きてきた人たちがいます。

薬害は、原因となった薬の使用を中止したときに終わるわけではありません。被害を受けた人にとっては、そこから先にも人生があります。

ところが、薬によって身体に大きな影響を受けた人の場合、その後に現れる健康問題が、既存の病気の枠組みでは十分に捉えられないことがあります。

誰が診るのか。

どの診療科が受け止めるのか。

医師や薬剤師をはじめとする医療者が、どのように連携して支えるのか。

そして国は、どのような診療体制を整えるのか。

私は、こうした「薬害のその後」を支える医療の仕組みが十分につくられていないこと自体が、現在の大きな問題であると指摘しました。

医療の現場では、薬を使う前には、安全性や有効性について検討し、患者の状態を確認し、リスクをできるだけ適切に管理するためのさまざまな対策が講じられています。薬剤師も、薬の専門家としてその重要な役割を担っています。

それならば、実際に薬によって回復困難な健康被害が生じた後についても、医療は正面から向き合うべきです。

薬を中止したら終わりではありません。

副作用を報告したら終わりでもありません。

被害を受けた患者の人生は、その後も続きます。

薬剤師はどこまで関わるのか。医師はどこまで関わるのか。医療全体としてどう支えるのか。そして、一つの医療機関だけでは対応できない問題について、国はどのような仕組みをつくるのか。

そこまで含めて、薬による健康被害に対する医療の責任として考え、実際の仕組みにつなげていく必要がある。

22日は、薬害の当事者として、そのことを薬学教育に携わる皆さんにお伝えしました。

薬害は、過去の事件ではありません。

被害を受けた人が生きている限り、その人の身体と人生の中では続いています。

だからこそ、「薬の安全性」や「患者に寄り添う医療」を語るのであれば、薬を使う前の安全対策だけではなく、薬によって人生を大きく変えられた人たちの「その後」を、医療がどう支えていくのか。

そこまでを医療の問題として、きちんと向き合ってほしい。

今回のスピーチでは、そのことを強くお話ししました。

オランダで開催される国際サリドマイド会議に参加するためクラウドファンディング開始

One Teamの増山です。お世話になります。いつも温かい応援をいただき、本当にありがとうございます。

現在私は、サリドマイド被害当事者としての経験を活かし、希少な病気や複雑な症状を抱える人が、誰もが等しく必要な医療を受けられる社会を目指して「OneTeam」を立ち上げ、活動を続けています。

サリドマイドの副作用で生まれた私たちは、加齢とともに体調を崩しやすくなっています。しかし、血管が細くもろいなど特殊な身体構造のため、現代医療の恩恵を十分に受けられていません。共に闘病した幼なじみが「生きていることが辛い」と呟くほど、治療が十分にできない理不尽に直面しています。 そしてこれは、私たちだけの問題ではありません。どの診療科にも収まらず「ここでは診られません」と言われ続ける多くの希少疾患の患者さんにも共通する、「医療アクセスの不平等」という大きな課題です。 この課題を解決する糸口を見つけるため、この秋にオランダで開催される国際サリドマイド会議に参加し、海外の先行事例を学び、日本の現状を発信したいという新たな目標を抱きました。

この国際サリドマイド会議への参加を実現するため、そして何より、単に資金を集めるだけでなく、治療や相談先につながれず苦しむ人がいることを社会に可視化し、共に声を上げる仲間を増やすために、クラウドファンディングという手段を選びました。

6月15日の募集開始に向けて、一人でも多くの方にこの現状を知っていただくため、今日まで覚悟を持って準備を進めてきました。 目標金額は3,500,000円、募集期間は6月15日から2026年8月13日までです。

皆様からいただいたご支援は、オランダへの航空券・宿泊費・現地移動費、介助者費用、外国語通訳費・手話通訳費、現地での分科会開催費用などに充てる予定です。 ぜひこの挑戦の背中を押していただきたく、直接ご連絡させていただきました。

クラウドファンディングは、「募集開始5日で目標金額の20%を集めることができるか」が、プロジェクトの成功率を大きく左右すると言われています。開始直後に勢いをつけることが、より多くの方にこの医療アクセスの課題を知ってもらうための大きな力になります。だからこそ、どうか開始直後のご支援をお願いできないでしょうか。 プロジェクトの詳細や私の想いは、こちらのページに綴っています。ぜひ一度読んでいただけると嬉しいです。

https://readyfor.jp/projects/thalidomide

個人では乗り越えられない困難も、仲間と手を取り合えば必ず超えていけると信じています。誰もが尊厳をもって生きられる環境を実現するための第一歩に、どうかお力を貸してください。 温かいご支援を、心よりお待ちしております。