国際サリドマイドシンポジウムのご挨拶

ドイツではサリドマイドの当事者が自らの人生を語ることで、政策決定や社会の価値観を動かすきっかけにもなってきました。当事者が声を上げ続けたことで、人として尊厳ある人生を送りたいという想いに多くの人々は共感しました。

ときには理不尽や苦しみの人生を歩かざるを得なかったことに涙し、彼らのために制度改正を一丸となり後押しをしました。日本とドイツでは文化も国の仕組みも違います。ドイツの方がこの国際サリドマイドシンポジウムで発言することで、日本の私たちの前に道が開くわけではありません。

それでも私たちが自分の人生をどう捉え、私たちの人生のあるべき姿に思いを馳せ、どのような生き方を望むのか向き合うべきだと思います。いま、私たちは私たちの努力で幸せであったとしても、私たちの人生が尊厳のあるものかを問わなくてはなりません。私たちの道は誰かが歩くが、誰かが歩く道につながっています。どのような人生であるべきか捉えることで、今後の社会のありようも含め、私たちはどう生きるか考えたいと思います。

増山ゆかり