ドイツで撮影したウド・ヘルテリッヒさんの映像を流しながら、その日本語訳を読み上げる。日本語訳内容はこちら。
増山
ウドさんに話していただいたのは、少し聞き取りづらい部分もあったのかもしれないんですけれども、さっきクラウスさんの後ろで流していたのが実際に流された「一錠の薬」のドラマです。2007年にドイツで放送されましたけど、その前に実は裁判が起きたんです。このドラマを差し止めるために裁判が起きて、それが三年以上続いたんですね。グリューネンタールが制作会社を訴えて、ドラマを放送するなって訴えを起こして、その結果グリューネンタール社というのはドイツで結構有名な製薬会社なんですけど、そこがわざわざ裁判に訴えでて、放送の差し止めをするとはどういうことかと逆にすごく注目されて、その結果、裁判がどうなったああなったとメディアの中で大騒ぎになって、これはフィクションのドラマだったんですが、テレビ局は過去の現実の映像を使って、そのサリドマイドがこんな事件だったよっていうことを報道したんです。それで注目度がものすごく高まったところで、ドラマが放送されました。
ものすごい視聴率でした。そこにさっきウドさんのコメントにあったように、これは自分たちにとって一生に一度しか来ないチャンスなんだと思ったんです。だから今、テレビにどのぐらい出演したのかというのを教えていただいてたんですけど、ほぼ毎日のように、ドイツのサリドマイドの人がどんな思いをして生きてきたのかっていう状況をわかっていただいたので、みなさん「これはないよね」「さすがにこれは問題じゃないの」と社会の中で共有したり、ドラマによって、例えばクラウスさんもそうですし、多くのサリドマイドの人たちがすごく求心力になって、何とかしなきゃいけないよねっていうきっかけにつながっていきます。
ウドさんが2008年に団体を立ち上げたんです。International Contergan Thalidomide Allianceという団体を作って、イクタ(ICTA)という愛称で呼んでいるんですけど、そのICTAが世界中のネットワークの中で、自分たちの思いを実現させていったんです。それによって社会が本当に変わったという話を、さっきインタビューで答えていただいたっていうところまで話しました。説明が長くてうまく説明できなくて申し訳ないのですが、そのあとどうなっているのかを、ちょっとウドさんに聞いてみましょう。
ウドさんにとって何が変わって自分の人生を取り戻せたんでしょうか。
ウド
まず初めに質問にお答えする前に、ゆかりさんに心からお礼を申し上げたい。今回のこういうシンポジウムに参加できることに対して、お礼を申し上げたい。また、皆さん、参加者がこのように大勢の方がいらっしゃるということで大変光栄です。
まず何を達成したかということなんですけれども、達成するまでには長い年月がかかっています。50年という長い年月です。様々な活動も変わってきました。それに多くの被害者が参加しました。(聞き取り不可)が達成することができました。
イロンカさんもそうだったのですけど、例えばドイツ連邦サリドマイド被害者協会の活動で、イロンカさんも私も協会の活動に勤めていました。
この間にですね、私どもは5つの法改正を行いました。一つは2013年にベルリン連邦議会の方で,400人の人で一緒に集まって、そして、いわゆる議会の公聴会があったんですけれども、政治家の人たちと郡の公聴会ですね。そういうふうに発展したと。それが多くは(聞き取り不可)になったということで。それで、そのおかげで年金は低かったんですけれども、それが六倍になりました。政治家の人たちもびっくりしたんですが、一回だけの年金が六倍になったのではなくて、毎年の年金が六倍になりました。
どのくらいあがったのか具体的な金額を申し上げますと、低い年金受給者が年間月(?)100ユーロ(聞き取り不可)が、一万七千円くらいということです。それで最も重症の方、それはあの先ほど、まあ本当に厳しい状態の人だったんですけれども、それはそれがええ、6倍になって100ユーロだった人が662ユーロ、900ユーロだった人が7480ユーロまで(聞き取り不可)あったということですね。
年金に加えてもう一つ、当時、健康基金というのが設けられます。この健康基金というのはあまり効果がなくて、のちに年に一回の一時金という形で払われました。それは何かというと、健康のため、例えばプロゲート(?)ですね。人工の何かが怖い場合、あるいは治療を受ける、セラピーを受ける、あるいはメガネを作るというか、そういった理由があった場合に、そのお金で払えるという一年に一度の一時金というのがありまして、それは一応最高額が1万4千ユーロ。それは250万円になります。
そうしまして、公的な専門のお医者さんがいらっしゃって、ドクターフラン、サリドマイド被害に関する専門の方がいらっしゃるんですけれども、その方が中心となって10か所でコミュニケーションセンター、つまりその被害者のための健康のために専門の治療センターが作られました。そしてその予算というのが、いわゆる財団です。サリドマイド被害者のための財団が受けられたという、そこからお金が払われた。
こちらのコンテルガン/サイドマイド被害者のための財団なんですけれども。姿が当初、設立された時は本当に公的な機関、財団だったんですけど、それが多少変わってきたということで、元々は今も連邦カテーション(?)というものですけれども、その財団の中に2人のいわゆるサリドマイドの被害者、コンテルガンの被害者が加わったことによって、例えば事務所が私どもが何か要求するお金があったりとか、そういったものを財団に請求することができるようになるところです。
こちらの財団なんですけれども、喜ばしいことに代表がサリドマイド被害者の方でして、また、この代表の(聞き取り不可)。
そして、最後なんですけれども、この財団のほかに、グリューネンタール財団というのが10年ぐらい前に設立されました。それがどちらかというと、周りの圧力によって作られた財団なんですけれども、そこも、今、(聞き取り不可)。
大きな変化というのは、やはりこれが一番大きいということで、サリドマイド被害者のための法整備、そして実際的な変化というのは、これが一番大きいということですね。もちろん、例えば小さな変化が加わったことというのはあります。
これ以外の質問はあるんですか?
増山
団体が今いくつか出てきたので、ちょっとそれを教えていただきたいんですが、最初におっしゃっていたサリドマイドの人自身が3人、団体に入っているっていうのは、それは本当になりたいためのことでよかったでしょうか? で、今、もともと日本のサリドマイドの人たちの団体として公益財団法人「いしずえ」というのがあって、それはドイツでは、ドイツ連邦サリドマイド被害者協会、日本語に訳すときはいろんな言い回しがあるかもしれませんけれども、略称で言うとB3Vですね。B3Vが患者で作っている団体で、さっきの新たにできてきたというのがコンテルガン財団で、それは多分、国と製薬会社で作ってるやつでしょうか。そこに被害者の人たちも入ってるよっていうお話でよかったんでしょうか。
もう一方できたっていう財団が、さっき冒頭にちょっとお話ししたウドさんが作られたInternational Contergan Thalidomide Allianceっていう、イクタですかね、ICTAっていう団体がそれぞれ独立した活動をしているという理解で大丈夫でしょうか。
ウド
まず財団の方なんですけれども、先ほど説明があったように、公的な財団であるということで、国とそれが中心になってしまっているということです。それで国の方が、連邦家庭省(wikipediaによれば、連邦家庭・高齢者・女性・青少年省が存在する)の方がその代表を選ぶんですけれども、今回被害者の一人が選ばれて、その代表になっているということです。それ以外に、代表委員会の方に三人の被害者がいるっていう話をしたんですけれども、それはその人たちというのは、いわゆるサリドマイドの人間に認定された被害者の中で選挙があって、その中で最も得票数が多かった人が代表になっているというのが今のそれです。
そして、先ほどおっしゃってた国際コンテルガンサリドマイド連盟とドイツ連邦サリドマイド被害者協会というのは、いわゆるサリドマイドコンテリアムの被害者が設立した協会である、団体である。
増山
はい、ありがとうございました。
ドイツでは賠償金を年金で月々払っていただくものが見直しをすることで、まあ6倍とか7倍ぐらいの補助額になったっていうこと以外にですね、さっき確かあの、イロンカさんの話にもあったんですけれども、私もそうですけど、もともと永久歯のない歯が結構あるんです。なので、虫歯になりやすくて。で、またその歯が抜けた時に、顎が充分に発達してないっていうのがあって、なかなか私の場合は、そもそもインプラントを入れるのが難しいんです。
ドイツではそういった、サリドマイドだから必要な入れ歯であったり、例えばイロンカさんだったらインプラントであったり、ウドさんと奥様のクラウディアさんはこのあと話してもらいますけど、お二人とも車椅子に乗ってらっしゃるので、いろんな棚や高さの調節が必要で、そういったものは、年金とはまた別にコミュニケーション持っていて、そこから出ているというような状況です。
では、最後にウドさんに質問したいんですけれども、いろんなお金や収入も増えて、さまざまなサポートも増えていて、生活そのものはかなり充実してきたとい印象を持っているのですが、今皆さんが抱えている、これはやっぱり今後課題だなと、何とかしなきゃいけないって思っていらっしゃるものが何かあれば、教えていただけますか。
ウド
今の質問は私の妻の方がちゃんと答えられるので、後ほど答えるようにお願いしますけれども、やはりあの高齢になると、今までできたこと、あるいはまだできていることが、できなくなる。それには誰か助けが必要になるんですけど、それは決して安くないというところまで理解していただいて、このあとは奥様に譲ります。
増山
はい、わかりました。ウドさん、ありがとうございました。じゃあ、引き続きですね、奥様のクラウディア・シュミット・ヘルテリッヒさんにお話を伺いたいと思います。



“国際サリドマイドシンポジウムでウド・ヘルテリッヒさんのお話し” への1件の返信
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